ニッケイ新聞 2008年6月13日付け
天皇・皇后両陛下のご希望もあり、史料館へ御下賜金が寄付される。皇太子殿下をお迎えするため、急ピッチで文協ビルの改装が進んでいる。
史料館では、葡和・和葡辞典を編纂した大武和三郎の常設コーナー(今年三月完成、七階)にもお立寄りになるようだ。
ブラジルに渡るため、大武が横浜で乗艦したアルミランテ・バローゾ号に乗っていたアウグスト・レオポルド殿下は、一八八九年、明治天皇を訪問している。
同年十月に帝政は崩壊。つまり、日本の皇室とブラジルの王室の最初で最後の出会いとなったわけだから、殿下も何かしらの縁をお感じになるのではなかろうか。
大武の孫和夫氏も来伯、ご訪問に立ち会うという。辞書編纂だけでなく、移民導入の公文書を作るなど、まさに日伯友好の礎となった大武和三郎への顕彰、ここに極まれり、である。(剛)