ニッケイ新聞 2008年6月10日付け
野党は七日、Varig売却の疑惑解明のため、ロウセフ官房長官に圧力をかける意向だと九日付けエスタード紙が報じた。野党は上院基幹委員会が始まる前夜の十日、連立党を除く上下両院議員が集まり、国家航空庁(Anac)のアブレウ前理事始め四人を、房長官が同売却に介入した経緯で喚問することにした。
喚問されるのは、アブレウAnac前理事他、ズアナジ、ロマント、ヴェローゾ等の前理事。連立党からの特別招待は、ヴァスコンセロス下議(PMDB=民主運動党)、モンサンタ下議(PMDB)、メスキッタ下議(PMDB)、カヴァルカンテ下議(PTB=ブラジル労働党)。
上院基幹委員会は、Varigの違法売却を認可したリオ会社更生裁判所のアユビ判事や、VarigLog共営者アウジ氏の所得税申告と社会保障院の無滞納証明を免除したAnacのリーマ法定代理人も召喚する。
また財務省のブランドン前法定代理人には、Varigの滞納税二十億レアルを振り替え免除させた理由を説明させる。同氏は官房室に再々呼び出され、ゲーラ次官から頭の痛いことで協力を求められたという。
同売却に関わった関係者は全員、Varigの借金を肩代わりさせなかった理由を説明させる。表向きは借金が売却の障害となっていることで、大統領府が免除する通達を出したというが出所は不明である。
上院本会議でも告発が事実と証明されれば、重大過失と見なす。野党は、コーポレート・カードCPI(議会調査委員会)で立件できる証拠がないまま、CPIを立ち上げた愚を繰り返さないため、慎重を期するという。
政府は官房長官の上院喚問を二週間延期して時間を稼ぎ、単なる手続き上の問題にすり替える考え。手続きのことで、官房長官を煩わす理由はないと代理人を送る。
野党のDEM(民主党)とPSDB(民主社会党)は、検察庁に捜査介入をさせ、今週の合戦とする計画だ。官房長官の包囲網は既に張られ、政治問題化する作戦は出来上がった。