ニッケイ新聞 2008年6月10日付け
「木曜午後から百周年協会事務局でサンパウロ市式典(二十一日)の入場券の配布ができるよう準備しています」。式典前最後の百周年記念協会(上原幸啓理事長)の理事会が七日午前、文協ビル内で行われ、重田エウゾ祭典委員長は、そう報告した。
上原理事長は「五年前から準備を始めた百年祭だが、我々は実質的な前夜にいる」と開会のあいさつ。当日の駐車場の場所や配分、メトロのチエテ駅から出る巡回バスなどの会場への行き方なども報告された。
まず、飯星連邦下議は、観光省で十日に日本文化週間への三十七万五千レアルの支援が正式許可される見込みであり、「もう先払いの小切手を切っても大丈夫」だと報告した。正式許可後、実際に口座に振り込まれるのは十日後ぐらいになるという。「数々の困難はあったが、素晴らしい祭典になると確信する」と力強く語った。
渡部和夫顧問は「本番二週間前だが問題は山積している。特に資金面での最後の協力が必要だ」と呼びかけた。松尾治執行委員長も「特に日本文化週間の資金が足りない。最後の一瞬まで支援を求め続けていきたい」とし、ルアネー法で認可された枠への日本進出企業からの寄付を特に求めた。
続いて重田祭典委員長は、二十一日の式典当日への申し込みが四万人からあり、会場には三万人しか入れないことから、一部を二十二日にかえてもらう必要があることを報告。高齢者の入場を優先すると共に、会場内でマッサージを受けられる高齢者向けの休憩場を作るという。
入場券は木曜(十二日)午後から配布できるように準備しており、一回限りの入場しかできない。「招待状では入場できない。出席確認の連絡を百周年協会にしてもらい、必ず入場券を入手してください」と語った。
式典をとりしきる福原ケンジ・カルロス氏は予定されている式次第を、次のように説明した。
午後四時半前に皇太子殿下のご到着、続いて州知事ら来賓、日本側来賓が入場する。各エスニック(人種)を代表するような運動選手(日系なら卓球のウーゴ・オヤマ選手や柔道の石井バニア選手らが候補)が神戸から届いた「友情の灯火」をもって登場し、会場に用意された点火台の手前には、移民家族を象徴する日系夫婦と子供(六世)が控えており、彼らが点火する演出が用意されている。
その後、両国歌斉唱、来賓あいさつとなり、海上自衛隊約三百三十人の演奏、軍警音楽隊や同騎馬隊のパレード、百周年記念曲「海を渡って百周年」を千二百人で踊り、続いて三千人のコーラス、沖縄宮中踊り・四竹、鳥取しゃんしゃん笠踊り、千人和太鼓などが披露された後、皇太子殿下がご退席される予定。
なお、第二部の式典に遅れは許されないため、第一部祭典は途中でも時間通り終了させ、そこから第三部の祭典で続ける。これはあくまでも予定であり、今後変更される可能性もあるという。
当日まであと二週間を切った現在、ようやく百年祭準備が大詰めに入ったようだ。