ニッケイ新聞 2008年6月7日付け
国連の環境会議でブラジル代表が、環境問題を非常事態と見なし、知的所有権を認めないことを提案した。同会議は一日から技術的問題を討議する第二ラウンドに入り、第二京都議定書の作成に取り組んでいる。
百七十二カ国の代表が、ボンに集まった。ブラジル代表は、二〇〇三のエイズなどの予防薬に関するWTO合意を例にとり、環境にも適用し貧しい途上国へ技術移転を行うことを提案した。
京都議定書は先進国に有利な内容のため、途上国は参加の余地が少ない。環境基金は途上国交付を優先し、クリーン技術の移転を行う。中国とガーナがブラジル案に合意した。しかし、提案の多くは机上論の域を出ず、実際の効果は疑問視されている。