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下院倫理委員会=シウヴァ下議の審理決定=政治謀略を解明か=檜舞台に上がった労組幹部=闇の勢力は実在?幻想?

ニッケイ新聞 2008年6月5日付け

 下院倫理委員会は三日、パウリニョ労組理事長ことパウロ・P・シウヴァ下議(PDT=民主労働党)のBNDES(産業開発銀行)融資横領の関与疑惑で政治倫理の抵触審理を決定と四日付けエスタード紙が報じた。関与が立件されると、同下議の議員権は剥奪される。ルッピPDT党首は、同下議のサンパウロ州支部長は辞任が望ましいと同意した。
 倫理委員会で同下議の議員権剥奪が決議されると、二〇一八年まで政治活動が禁じられる。すでに倫理委員会が審理を決定したことで、議員を辞任しても審理は継続され、懲罰は免れない。
 PDT党首は、下議本人のためにもサンパウロ州支部長の辞任が望ましいと述べた。議員権剥奪が決まると、党にも少なからぬ影響を及ぼす。倫理審理とは、火に手をかざすようなもので火傷を覚悟する必要があるという。
 下議の倫理審理は最高裁の許可を要し、担当はブリット判事で六日までに許可の是非を決定する。倫理審理は期間を九十日以内とし、五回に分けた審理が開かれるが、各審理では告発内容と証拠物件の吟味、抗弁の機会が与えられる。
 検察庁は同下議の側近に減刑を条件として情報漏洩を呼びかけている。しかし、コンザーニ元軍警大佐の指示で転ぶものはいないようだ。元大佐は二十五年の懲役または、不起訴をエサに吐かせるらしい。
 いっぽう、パウリニョ理事長は、政治謀略の犠牲だと訴えている。ヴァルガス元大統領を死へ追いやったグループの仕業だという。目に見えない闇の勢力は、ジャンゴやブリゾーラを失墜させた。彼らは、いまでも政界を徘徊している。
 以前のブラジルなら、暗殺した。現在は政治生命の抹殺が、彼らの常套手段である。同下議の体には軍政時代、拷問の整形手術で金属片とネジ十九本が埋め込まれているという。闇の勢力が怖くて、労働運動などできないというのだ。 
 同下議は下院に労組シンパを招き、労組ユニフォームを身につけアジ演説を行った。議員辞任は告発を自ら認め、労働運動に終止符を打つ自殺行為であり、辞任はあり得ないと否定した。