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「日伯友情の森」植樹活動=プロジェクトがスタート

ニッケイ新聞 2008年6月5日付け

 ブラジル・ニッポン移住者協会中央植樹委員会(小山昭朗代表)とオイスカ・ブラジル総局(高木ラウル会長)は、五月二十二日、サンパウロ州立チエテ・エコロジコ公園に「ブラジル日本移民百周年記念サクラ」の苗木七十本を植樹、「日伯友情の森」づくりプロジェクトを事実上スタートさせた。同日はプロジェクトの進ちょく状況の視察も兼ねて行われた。
 バス、自家用車を合わせて約百二十人が参加した。一行はサクラの苗木を植樹した後、中央植樹委とオイスカが昨年十月から実施している植樹のための自然木(郷土植種)育苗の現場、「日伯友情の森」となる予定地の整地状況などを視察した。
 また日本庭園の建設予定地であるイーリャ・ジャポネーザ(日本島)およびグァルリョス国際空港税関で没収された動物の自然飼育地区の担当者から、それぞれ説明を受けた。
 「日伯友情の森」予定地で行われた「ワラビ狩り」では、みんな童心に帰って、夢中でワラビを取っていた。昼食は主催者が用意したシュラスコに舌鼓を打っていた。
 移住者協会会長であり中央植樹委員会代表の小山さんは「日本移民はブラジルの農業に多大な貢献をする替わりに、自然の景観を変えてしまうほどに原始林を伐採し、開発し、発展してきた歴史がある。だからこそ、百年たった今、日本人が植樹によってブラジルに恩返しすることに意義がある」とプロジェクト作成に至る経緯を説明し、「個人的にも、生きてきた証として森を造成し、これをライフワークにしたい」と心境を語った。
 チエテ・エコロジコ公園は、サンパウロ市とグァルリョス国際空港を結ぶアイルトン・セーナ街道沿いにあり、マッタ・アトランチカ(大西洋森林)の一部とされる。
 サンパウロ市西部に位置し、開発が進んだため、植物相がほとんどなく、同じ市内でも植物の残っている東部パリェリェイロス区と比べて温度差が最高十度も高い。マッタ・アトランチカには百五十種の木があるという。
 同委員会では、チエテ・エコロジコ公園には最低八十種類の苗を植樹したい、としているが「種の入手が困難なのが最大の問題」とし、〃種を取るための森〃をつくるために「いろいろな木の種を分けてもらいたい」と呼びかけている。問い合わせ、情報提供はブラジル・ニッポン移住者協会(11・3276・9450)まで。