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沖縄系2世の見た移民史=5日に池岡さん著書出版会

ニッケイ新聞 2008年5月31日付け

 サントス市在住の沖縄二世、池岡マリアさん(66)がこのほど、両親の生涯を辿りながら、デカセギまでの日伯両国の歴史を綴った「バンザイ・ブラジル! バンザイ・ジャポン!」を上梓、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル銀行(ガルボン・ブエノ街218)で六月五日、出版記念サイン会をおこなう。午前十時から午後一時まで、午後二時から四時まで。
 一九一七年に若狭丸で移住した父親・山内哲男さんは、リベイロン・プレット近くのカフェ園に入耕。九年後、サンパウロ州サンビセンテ市を経て、一九三〇年にサントス市に移り住んだ。
 「父からは母親との恋愛の経緯から沖縄の歴史や文化などいろいろと教えてもらった」と池岡さん。「とくに忍耐や勤勉さ、信用など、日本人移民に共通する美徳を広く伝えたかった」と執筆動機を話す。
 池岡さんは、労働裁判所の職員として勤務するかたわら〇二年に調査をはじめ、〇四年から執筆。定年退職後、〇七年に本の調査と自身のルーツを探るため、沖縄を旅行した。出版費用はすべて自費だ。
 五月九日にサンビセンテ市議会でランサメントしており、地元紙も写真付きで記事を掲載した。経費を除いた本の売上げは、すべてサン・ビセンテ小児腫瘍研究センターに寄付される。
 価格は三十九レアル。二十二章立て、三百二十ページ。千冊発行。デカセギの在日ブラジル人の動向などについても記述している。沖縄やサンビセンテ市の景観、その他思い出の地の写真を多数紹介している。