ニッケイ新聞 2008年5月30日付け
山口ロータリークラブによる希望の家福祉協会への米の寄付が今年も実施され、二十七日午後、山口県人会から希望の家代表に米九百キロが贈られた。
この寄付は、山口ロータリーなど同県のロータリークラブの申し出により、十五年前に始まったもの。十万円の寄付金から山口県人会が食品などを購入し、寄付している。
最初の十年は孤児院に対して行なわれていたが、五年前から希望の家福祉協会に米を贈っている。
寄贈式には希望の家から大野孔三会計理事と千田ジョゼ事務局長、山口県人会から京野吉男相談役、要田武副会長、伊藤紀美子事務局長が出席。要田副会長から大野理事へ目録が手渡された。
今年寄付した米は計九百キロ。これまでは十万円で約一・五トンの米が購入できていたが、今年は為替高、食料価格上昇の影響が大きく、一トン未満にとどまった。
「この量では二カ月分くらいだろうが、役立ててほしい」と要田副会長。大野理事は、「皆さんの手伝いがあってこそ、運営ができる。助かります」と話し、「(イベントなど)大きな事だけでなく、いろいろな事をやって集めないと大変なのが現状です。ぜひこれからも続けてほしい」と期待をあらわした。
イタクアケセツーバにある希望の家には現在、二十代から七十代まで九十人の重度知的身体障害者が入居している。看護婦や療養士、事務職員など七十人が勤めており、一カ月の必要経費は約二十万レアルに上るという。
入居者家族の負担、会費や寄付に加え、同会では年間を通じてリッファやゴルフ、茶会など、ほぼ毎月イベントを開いてそれらの経費を捻出。それでも「収支はトントン」と大野理事は話す。
大野理事はまた「今ではインターネットを通じてたくさんの若者がボランティアとして参加してくれています」と感謝を表した。
最も大きいのが九月に同施設で行なわれる「緑の祭典」。例年約二十五万レアルの収益を上げている。今年は百周年を記念してサンパウロ市内で実施することも検討しているという。