ニッケイ新聞 2008年5月29日付け
世界貿易機関(WTO)は二十六日、ドーハ・ラウンド(多国間交渉)の最後通牒ともいうべき、農産物補助金の部分的廃止を容認した打診書をブラジルへ渡した。
しかし、ブラジルが最も関心を寄せる伯米間のエタノールは外されていた。同ラウンドは二〇〇一年に設置され、二〇〇五年終結のはずであった。今回は最終合意前の予備的な合意で、六月の閣僚会議で話し合う。
二〇〇五年当時から比べると、食糧危機という問題を目前にし、双方は合意の時期が熟したことで一致している。今回の通達内容はかなり譲歩したものだが、まだEUへの参入には途上国の市場開放を求めている。
関税率を六五%削減する部門は、途上国へも同率参入を求めた。ブラジルの場合は、自動車や化学薬品、電子部品だ。ブラジルが譲れるのは、五〇%削減が限度。メルコスルは、一六%の部門を高率関税で保護している。