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連邦警察=パウリニョ理事長を告発=BNDES融資横領を裁く=「知らぬ存ぜぬ」が通るか=一将功なるため万骨が野に

ニッケイ新聞 2008年5月27日付け

 連邦警察は二十五日、パウリニョ労組理事長ことパウロ・P・シウヴァ下議(PDT=民主労働党)を含むBNDES(産業開発銀行)融資横領の組織告発を明らかにした。犯罪組織には、下議元側近、ロビスト、友人など、顧問が関与した。PSOL(自由社会党)は直ちに、同下議の議員権はく奪申請を行う意向を表明した。
 二十六日付けエスタード紙によれば、犯罪組織の顧問は四人。同下議の元側近で主犯格のモウラ容疑者とBNDESの元評議員トスト容疑者、WE風紀店主のバストス容疑者、Progusコンサルタントのマントヴァニ容疑者だ。
 BNDESで組織に便宜を図った内通者を摘発するため、連警は副総裁と法務部長を喚問した。BNDESは、告発の介在事実を否定した。
 組織は、国会議員の名前を出すことで融資の妥当性を示威したようだ。五月九日の連警喚問で、同下議は「モウラから何も聞いていないが、何をしたのか」と問うた。
 モウラ容疑者は、二百の地方自治体を奔走し、パウリニョの名前を出して、融資取付けを約したと連警がいう。BNDESは否定するものの、モウラ容疑者扱いの融資申請は、多数に上るのに容易に受理された。
 先のWE風紀店は連警の押収書類によれば二〇〇六年、一千万レアルの収益を上げた。風紀店を看板にして、多くの不正資金洗浄を行い、BNDES融資のリベートは風紀店の収入に計上した。
 BNDESから融資を受けた地方自治体の市長や課長の航空券は、同風紀店が支払った。連警サンタテレーザ作戦の盗聴記録によれば、同風紀店は人身売買にも関わり、BNDESの資金が使われたと見られ、捜査を行う。
 パウロ・P・シウヴァ下議の弁護士は、盗聴記録に名前が表れただけで「犯罪関与は想像の産物だ」と声明を発表した。
Progusの弁護士やモウラ容疑者の弁護士も、全て合法的なものと不正を全面否定した。
 シッコ・アレンカール下議(PSOL)は二十八日、同下議の議員権はく奪申請を倫理委員会へ上程というが、これまで同意書に署名する議員がいない。シウヴァ下議については、監察委員会も審理したが、表決に付すか結論に至っていない。