ニッケイ新聞 2008年5月21日付け
路上生活者が増えているサンパウロ市では、本格的な冬の到来を前にした十二日、専門家百六十人による保護施設での検診や精神病治療を開始。市当局によれば、サンパウロ市の路上生活者は約一万三千人で、昨年一年に市職員が路上生活者に応対した数は一昨年の二倍で、十万件超。まるっきり健康な人はおらず、精神的な問題を抱える人が多いという。市内三十九の保護施設の収容能力はまだ九千人。
◎
昨年十二月にマグニチュード四・九の地震に襲われ、国内初の犠牲者が出たミナス州イタカンビ。九五%の家屋が被害を受け、学校での仮住まいを強いられていた住民たちだったが、市が提供した土地に州政府が建てた家七六軒が完成。十九日の式典後、被災者の入居が始まった。犠牲となったジェジケーレちゃん(当時五歳)の母親は、新築の家に住む喜びと我が子を失った悲しみとの両方を味わっている。
◎
サンパウロ州カラピクイーバで十六日夜誘拐された二十一歳のソウザ氏。十七日から、同じサンパウロ州のアメリカーナスで監禁されていたが、十八日夜、監視役が眠っているのを見て、近くにあった斧で三回殴って殺害。その犯人が持っていた銃器を手にしたソウザ氏は、隣室にいた別の二人に警察まで車を運転するよう命じた。町の中心部で会った市警に誘拐されたことを話したソウザ氏は保護され、犯人二人もその場で逮捕。残る犯人の内一人は、自宅で逮捕されたが、残り一人はまだ捕まっていない。弁護士によれば、ソウザ氏が絶望的状況下で犯した殺人は正当な行為とみなされる。