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超満員のレキオスサンパウロ市公演=日伯つなぐ「夢のかけはし」=本場のエイサーに満場の喝采

ニッケイ新聞 2008年5月20日付け

 日伯つなぐ架け橋に――。沖縄から来伯した「創作芸団レキオス」(照屋忠敏代表)のブラジル公演「夢のかけはし」が十七、十八日、サンパウロで行なわれた。十七日の沖縄県人会公演は来場者約一千人、翌十八日の文協公演も超満員となる賑わい。本場のエイサー太鼓、コミカルな獅子舞に加え、ブラジルのレキオス芸能同好会との共演など、多彩な舞台に惜しみない拍手が送られた。
 レキオスは、沖縄の伝統芸能であるエイサーや獅子舞などをアレンジした舞台で、沖縄を拠点に日本の内外で公演活動を行なっている。今年で創立十周年。ブラジル公演は初めて。
 ブラジル支部にあたるレキオス芸能同好会(大嶺初枝代表)は〇二年から活動を始め、現在では二百人以上の子供たちが参加する。
 今回の公演は日本移民、沖縄県人ブラジル移住百周年を記念して企画されたもの。ブラジル県人会側では一年前から実行委員会(山城勇委員長)を組織、準備を進めてきた。
 皮切りとなった沖縄県人会での公演には九百人以上が来場。会場は足の踏み場もない超満員となり、人気の高さをうかがわせた。冒頭あいさつに立った与儀昭雄県人会長は実行委員会、関係者への謝意とともに、「今回の公演が日伯友好、そして技術面を含む新たな交流の機会になることを期待します」と述べた。
 公演はレキオス団員による「島(しま)エイサー」で開幕。現代風にアレンジされた沖縄民謡、沖縄の歴史、風土を題材にした現代曲など様々な曲が披露され、一糸乱れぬ団員らの舞と勇壮な太鼓が観客を引き寄せる。
 レキオス芸能同好会の子供たちとの共演や、演目の合間に小太郎会大嶺初枝琉舞道場、斉藤悟琉舞道場等の出演が会場を盛上げた。
 休憩をはさんで後半には、日本各地のものとは異なり全身が毛に包まれた沖縄独特の獅子舞や、八岐大蛇(やまたのおろち)も登場。獅子と観客との絡みが会場の笑いを誘った。
 このたびの公演にはレキオスに楽曲を提供している沖縄を代表する歌手の亀井日出克さんも来伯。「ステージと一体になってフィナーレを迎えましょう」と語り、レキオス芸能同好会の公演でおなじみの曲を披露すると、会場の盛り上がりは最高潮に。
 最後のカチャーシになると前部の椅子は片付けられ、団員とレキオスの子供たち、観客が一体となって踊り、二時間半の公演は幕を閉じた。
 「感無量。夢のようです」と語るのは、ブラジルのレキオス代表として公演実現に携わった大嶺代表。〃親団体〃との共演実現に「子供たちが太鼓を叩く姿に涙が出ました。今回の公演は子供たちにとって新たな刺激になったと思います」と感動を表す。
 公演を終えた照屋代表は汗だくのまま、「言葉の通じない観客の皆さんも総立ちになって踊ってくれた。沖縄での舞台の十倍くらい感動しました」と充実した表情。そしてブラジルでエイサーに参加する子供たちに「沖縄のレキオスに負けないくらいの心意気で、上達を目指してほしい」とエールを送った。
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 公演「夢のかけはし」はサンパウロの後、ブラジリア(二十日)、バストス(二十四日)、マリリア(二十五日)の三カ所で実施される。