ニッケイ新聞 2008年5月16日付け
下院は十四日、裁判手続きを加速化する治安法改正案を可決、大統領の裁可待ちとなったことを十五日付けエスタード紙が報じた。上院は、すでに承認済み。これまで四回行われた審問や証人尋問、証拠提出などの公判は一回のみとし、被告不在の場合は先延べ。裁判長へ訴訟書類の提出後、記録の朗読は取り止めとした。
裁判手続きが大幅に改正され、故意の殺害などに早期判決が下ることになった。いつ果てるとも知れない陪審の誘導尋問を三回のみに縮小し、犯罪の有無と立件、有罪か無罪かをここで決める。
原案は、米国方式を導入。陪審の判断は、多数決で決める。これまでの尋問は専門用語で行われ、同じような質問でアングルを変えて繰り返した。第三者から見ると、鼻をつままれたようであった。
二十年以上の刑は、再犯から自動判決になる。同令が実効であれば、ドロシー事件再審が無罪放免にならないし、社会が無力感を感じることもなかった。これらは現行令の欠陥であることが、下院で再認識された。
告訴と弁護のための公判三回は、一回のみに。これらの司法制度改正は、国民が長い間切望していたものだ。これでイサベラちゃん殺害事件やジョアンちゃん殺害事件も早期に判決が下る。これまで一年余にわたった裁判が、六十日で判決が下るようになる。
PCC(首都第一コマンド)のような組織犯罪は、組織の培養システムや資金の流れなど、ロジスティック面から攻める。携帯電話の持込みが押収されるのは、月間九百台という。
夜間服役や自宅謹慎、仮釈放、母の日や復活祭で家族と過ごす時には、これまで人権侵害で許されなかった特殊金属をくるぶしへ注射する。裁判所が指定する服役者に同措置を施すらしい。
資産の差し押さえは、第三者名義も対象になる。未成年に対する性犯罪、性的暴力、電撃誘拐についても、大幅改正が行われた。