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注目浴びるSWF=政府、外貨を短期間で運用

ニッケイ新聞 2008年5月15日付け

 ソブリン・ウエルス・ファンド(フンド・ソベラノ=以下SWF)原資は、市場に溢れるドルを回収し、充当するはずであった。しかし、マンテガ財務相は十三日、税収の余裕分をSWFへ回す意向を示した。
 これからSWF(フンド・ソベラノ)という単語が、ひんぱんに紙上に登場する。別の呼び名は、政府系ファンドや国家資産基金、国家投資ファンドなど。「ブラジルは外貨準備高が一千八百億ドルに達したが、レアル高を抑制しドル購入を続行するためSWFを設立」と財務相が創設の趣旨を述べた。
 政府は、基礎収支の黒字幅をGDP(国内総生産)の三・八%とし、超過分はSWFへ回すと発表。BNDES(産業開発銀行)は、国外で活動するブラジル企業の資金用立てでSWF資金の到着を待っている。
 各家庭でも、毎日必要な小銭のために銭函が必要だ。ムダ遣いをしないため、余分は銭函に納める。これが、SWFだ。ブラジルは最近、経済の規模が拡大し、流通量が増えた。公表をしないが、財政黒字も容易に達成しているらしい。
 政府は国債を発行してレアルで売り、外貨を買っている。政府の保有外貨運用先が、SWFというわけだ。SWFが急速に注目されたのは、グローバル規模の潜在的影響力が大きくなる可能性を秘めているからだ。