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田口さん1万レアル寄付=百年史と福祉センターに

ニッケイ新聞 2008年5月14日付け

 ショッピング・イビラプエラで三十二年間も「ロージャ・アリガトウ」を経営する田口七良さん(76、埼玉県出身)=サンパウロ市在住=が百周年を記念して九日に、百年史編纂事業とサンパウロ日伯援護協会の福祉センター建設に対し、五千レアルずつ計一万レアルの寄付を行った。
 「貧者の一灯ですよ」と謙遜する田口さんだが、同ショッピング内の約四百店舗を束ねるテナント協会会長も二期務めるなど業界ではつとに知られた存在だ。
 五四年に単身移住し、五八年にはセントロで最初のバザールをかまえて四軒まで増やしたが、オイルショックで停滞したため、当時できはじめたばかりだったショッピングセンター進出をいち早く目指した。五十軒に一軒しか入れないという難関を突破、「USPみたいなもんですか」と笑う。
 現在では四十七ものショッピングセンターができる時代になり、「八〇年代にはもうけさせてもらったが、今は競争が激しくて続けるだけで大変」という。昨年から経営を娘たちに譲って、悠々自適な生活になった。
 田口さんは百周年協会の松尾治執行委員長、吉岡黎明文化委員長、森口イナシオ援協会長に対し、「みなさんのおかげで百年祭ができる」と感謝し、その場でシェッキをきった。
 森口援協会長は「本当にありがたい」と固い握手を交わし、松尾執行委員長も「このようなみなさんのご協力の積み重ねがあればこそ、百年祭は実行できる」とお礼をのべた。