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東西南北

ニッケイ新聞 2008年5月10日付け

 北半球の空気がきれいになると、アマゾン地区の乾燥や北半球の大型サイクロン発生につながるというショックな報道があった。七〇~八〇年代に酸性雨対策で大気中の燐削減に取り組んだ結果、太陽光線を反射していたスモッグが減少して北半球の海水温が上昇。南半球の海水温との差が四・二度と大きくなったことで起きたのが二〇〇五年の大干ばつやハリケーン・カタリ―ナだったと。大干ばつや大型サイクロン発生を避けるには、燐とともに温暖化ガスを削減し、地球を冷やす必要があるという。
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 地球温暖化防止のためにも公共交通機関の拡充は望ましいが、サンパウロ市地下鉄ピニェイロス駅建設再開の報に、一抹の不安。七人死亡の陥没事故は、当初の計画よりも浅い所を掘って、脆弱な地盤の部分に作られた形になったトンネルが、地中に沁みこんだ水によってより脆弱になったところに、上部の巨大な岩の重みがかかり起きたという。同じ悲劇を繰り返さないよう、万全な調査や準備をしてから工事をと願わされる。
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 サンパウロ州モジ市で、原因不明の腹痛や脚の痛み、内出血や不快感で二十五年も苦しんできた主婦。二カ月ほど前に撮ったレントゲンで、出産時の医者のミスでおなかに残されていたはさみが発見され、七日に告訴した。執刀した医師はもう他界し、病院側も今のところ、沈黙している。
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 婦女暴行など、弱い者への犯罪には敏感なブラジル人。イザベラちゃんの継母は、収監先の刑務所で女刑囚らから脅迫などを受け、別の刑務所に移された。