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記念貨幣問題=来週にも両者話し合いか=総領事館=「これから対応を検討」

ニッケイ新聞 2008年5月9日付け

 【既報関連】百周年を記念して日本の財務省が発行を予定していた五百円貨幣の図柄を変更した問題に関し、八日付けエスタード紙は続報を出し、当初の図案だったサントス上陸記念碑を製作した彫刻家のクラウジア・フェルナンデスさんの弁護士エドワルド・ピメンタ氏が、七日にブラジリアの在ブラジル日本国大使館宛てに「記念貨幣に用いた図柄は不当使用」などと書いた文書を送付したと報じた。さらに文中には、来週中に話し合いの場を持つことを要求したという。
 ピメンタ弁護士は同紙の取材に答え、「日本政府と大使館が話し合う時間を与えている。もし、返答がないときは法的な手段に訴える」などと述べている。
 同記事中で、フェルナンデスさんは交渉があったことを今回は認め、「著作権を放棄する文書に、私の署名が欲しかったのでしょう。でも、合意できる内容ではなかった」と明らかにしたが、「お金はいらない。私が製作者だと広報してくれれば、それで問題は解決するのに」との発言を繰り返している。
 ニッケイ新聞の調べによれば、百周年協会はフェルナンデスさんに対して、今後問題が起らないようにとの考えから交渉を行ったが、金額などの折り合いがつかず、同意には至らなかった。
 弁護士の二宮正人氏は「一般的にはインターネットに出ただけでは著作権侵害にはならないだろう。しかし、裁判官によっては、著作権侵害と言うかもしれない」と見解を示した。
 続けて「もし訴えたとしても、大使館相手なら治外法権があるために、訴訟は日本で行わなければならない。ピメンタ弁護士には日本での資格がないし、訴えることは相当難しい」との意見を述べた。
 一方、サンパウロ総領事館は「相手の弁護士から文書は送られてきた。現在のところ、日本側と話をして、これからの対応を検討していく」と語った。