ニッケイ新聞 2008年5月3日付け
国際復興開発銀行(IBRD=別名世銀)は一日、ブラジルとの共同開発計画として、四年間に七十億ドルを融資する意向を表明した。これまでIBRDは連邦政府に融資したが、今回は地方自治体に直接融資するという変化が、注目を引いている。
共同開発計画は、これからの前例とするために、ブラジルを始めロシアや中国など個人所得が中程度の途上国を選んだという。ブラジルは経済面で成長したので、新しい課題と役目を授けるらしい。
IBRDの見方によれば、ブラジルの地方自治体は財政責任法を守り、財政の体質改善を行った。それで自治体が、資金を有効に使う能力を培ったと見ている。融資対象は、農業とインフラ、持続可能な開発である。
IBRDは経済活性化計画(PAC)の中で、核エネルギーの平和利用や北東伯地方との所得格差是正、法令アマゾンの森林伐採半減をも融資対象に考えている。これは他の途上国へ、ブラジルの前例として紹介する。
ブラジルが先輩格として提言できるのは、財政面での連邦システムの利点やバイオ燃料、クリーン・エネルギー、エイズ、富の再分配などとされる。