ニッケイ新聞 2008年5月1日付け
【東京支社=藤崎康夫支社長】新緑に彩られた東京・日比谷公園の小音楽堂に、去る四月二十七日正午頃、つぎつぎと人びとが集まりはじめた。日本人、日系人、ブラジル人……、会場は、ブラジルファンで埋めつくされた。ブラジル移民百周年を記念して、浅草エスコーラ・デ・サンバ協会(AESA)が開く「ブラジル100フェスティバル」への参加者たちだ。
同協会は、浅草サンバ・カーニバル第一部リーグ出場チームにより結成されている協会である。
受付では、ブラジル移民の歴史について記されているパンフレットが、参加者に手渡された。
舞台からは、司会者の「日本人、日系人、ブラジル人……。みんなが共同でやっていきたいと思います」と、熱い言葉が流れる。
「……日系移民の皆様の労苦と功績に対して敬意を表せずにはいられません。そして今では、日本にも多くのブラジル人の皆さんが生活しています。日本とブラジル両国の距離は、今後ますます近くなっていくことでしょう。私たちが愛してやまないサンバを通じて、ブラジルの人たちとの交流を広げて、日本とブラジルのつぎの百年に向けて〝AESAブラジル1000フェスティバル〟を開催します」との開会宣言。
浅草サンバ・カーニバル第一部優勝チームの出場でフェスティバルの幕が切って落とされる。
日系ブラジル人ミュージシャンを中心にしたバンド、日系ブラジル人の母を持つ子供たちのダンス、在日ブラジル人のハードロックバンド、在日ブラジル人の男性と日本人女性のダンスユニット、ダンス音楽の演奏、各ライブハウスで活躍するプロミュージシャンのバンド、ダンス音楽演奏、各地のライブハウスなどで活躍するプロミュージシャンのパゴージバンド、各サンバチームとトップクラスのミュージシャンとダンサーの〝夢の競演〟。熱い思いが込められた三時間にわたるフェスティバルであった。
熱気に満ち溢れる百周年記念行事であった。