ニッケイ新聞 2008年4月26日付け
二十五日付け伯字紙によると、世界の国際空港並みに空の玄関と鉄道網を連結させたいと願う国防省が、サンパウロメトロポリタン交通省(STM)ならびにサンパウロ市役所と、空港エクスプレスの建設(クンビッカ~ルス)とコンゴーニャス~サンジューダス間の地下鉄新路線の工事で同意した。
空港エクスプレスについては、リオ市~サンパウロ市~カンピーナス市間の高速鉄道との関連で本紙でも触れたことがあるが、今回は、数週間のうちに公示というところまでこぎつけたらしい。工事の開始時期などはまだ明らかにされていないが、クンビッカの荷物用ターミナルのある地点を国際空港駅として利用することの許可が既に出ている。
一方、サンパウロ市内はルス駅が起点となり、総工費四〇億レアル、三一キロを二二分で走行するという。完成予定は二〇一〇年で、一日二万人の利用客が見込まれている。現在、ルス~ブラス~エンジェネイロ・ゴウラートをつないでいる近郊鉄道(CPTM)からさらに九キロ延長されることになるが、エクスプレスそのものはノン・ストップで、料金は、六~一四ドルと見込まれている。
このエクスプレスは、コンゴーニャス空港の混乱解消のためにも必要と考えられているが、コンゴーニャス空港と鉄道網の連結のための地下鉄新線の計画も同時に発表。従来検討されていたジャバクアラ駅への連結ではなく、サンジューダス駅と連結され、空港エクスプレスと新線の工事二つが完成した暁には、クンビッカとコンゴーニャスの間は、四〇~五〇分で連絡できるようになる。
STMによれば、地下鉄新線の第一期工事はサンジューダス~コンゴーニャス間の一二キロで、完成目標は二〇一〇年。その後、地下鉄五号線に建設予定のカンポ・ベロ駅を経て、CPTMのヴィラ・オリンピア駅まで延長される。工費見積もりは、第一期が二億レアル、全線では一二億レアルで、一万五〇〇〇人/時間の利用が見込まれている。この数は従来の地下鉄(全線で一日平均三二三万人が利用)の約半分で、新線については、従来型の地下鉄ではなく、モノレールが導入される可能性もある。
二十四日に創業四〇周年を迎えた地下鉄公社では、このところ、新線開設、在来線延長などの計画や、利用者数再更新といった報道が続くが、延長に伴う建設用地確保の問題で、本紙既報のアドウフォ・ピニェイロ駅ならびに、今回報道の新線と連結するカンポ・ベロ駅の建設予定地区の住民らは、立ち退き反対の抗議行動なども起している。