ニッケイ新聞 2008年4月26日付け
マット・グロッソ州のマジ知事は二十四日、同州の州議会で行われた「環境と経済の区分」会議で「食糧増産といっても、植えるところがなければ、作付けはできない。食糧危機の解決策は、森林伐採である」と環境メカニズムの不合理と行き過ぎを指摘した。
環境と経済の区分に関する知事案が環境団体の不合理な制限案にあって難航したことで、同知事は、農産物の増産のためには仲介機関を設ける必要があると述べた。食糧危機の到来は深刻化しつつあり、いまは議論をしている時ではない事態にあるという。
環境保護を優先し木の葉を食べて餓死するか、食糧を生産するかの二者択一である。異常気象による凶作と食糧危機に途上国の爆食は、既成の事実であると知事はいう。バイオテクノロジーの開発と農業生産性の向上は、長期計画で行うもの。すでに餓死が始まっている現在、泥棒を捕らえて縄をなうようなもの。
ブラジルは、世界の食糧基地である。牧場を耕し、作物を播けという暴論がある。牧場は農耕に向いていない。こんな所に作付けをしたら赤字になる。環境関係者は、ETと人間の食糧を混同している。
ブラジルの農業生産者は三十年間、安い食糧を世界へ供給した。現在は食糧を増産する場所と採算が取れる保証が必要である。知事が提出した「環境と経済の区分」は農業に対する偏見と誤解を解く提案だと述べた。三十年前に環境規制があったら、同州は現在のような黄金郷にならず貧しい僻地になったはずという。