ニッケイ新聞 2008年4月24日付け
バイオ燃料を白眼視する国際的批判の中で、エタノールへの大型投資が百七十億ドルに達し、記録を更新したことが判明した。中央南部で二〇〇八年、新たに精製所三十二カ所が竣工し、全部で八十四カ所になる。
二〇〇八年はサトウキビが五億トン、エタノールは二百四十三億リットルの生産予定。食糧危機の原因をエタノール生産とする国際批判があるが、サトウキビを栽培しているのは、まだ可耕地の一%に過ぎないという関係者はいう。
エタノールは最早、引き返すことができない必要不可決の産業。EUや米国の大企業は、ブラジルとの間にネット・ワークを築いている。エタノール批判者は、ブラジルと現実を知らない人間のタワ言というのが業界の見方。
食糧の高騰は話題になるが、先物市場で投機家によるコモディティのせり上げを話題にするものはいない。中国人が沢山食べ、原油が高騰し、ドルが下がるなら、食糧の高騰は当然のことで、エタノールが食糧高騰の原因だというのは筋が通らない話である。