ニッケイ新聞 2008年4月17日付け
終日多くの人で賑わったモジの秋祭り。主催者発表では、約七万五千人が訪れた。サンパウロ市近郊で行われるイベントとしては規模も大きく、入場者数からみても大成功だったようにみえた。
「地方の方がちゃんとやっている」との声をよく聞くが、まさにその通りだと感じた。
しかし、展示場の手伝いをしていた日本人男性は、農家の大変さを語ってくれた。
「モジの農家もだんだん減ってきている。作物は、モジでサンパウロの半分以下の売上げにしかならないから農業を諦める人が多い」と話し、「私自身農業を辞めて、軽食屋を経営しているのだから」と寂しそうな表情。
ブラジルに日本移民が入植して以降、飛躍的に成長した農業界。日本人が変えたブラジル農業界から少しずつ日本人の姿が消えていく。悲しい現状だ。 (貴)