ニッケイ新聞 2008年4月10日付け
デイケアセンターの機能や診療所を備えた「高齢者共生センター」や野球場の整備など、マットグロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ市が計画する日本移民百周年記念事業に対し、同州政府が約六十万レアルの助成金を出す。
アンドレ・プッシネリ州知事出席のもと、州政庁講堂で二日開かれた助成金の署名式には、日伯文化体育協会(中馬パウロ会長)、カンポ・グランデ沖縄県人会支部(玉城ジョルジ会長)、ベースボールクラブ(石川カルロス代表)などで構成する同市移民百周年記念協会(中馬パウロ実行委員長)の関係者ら七十近くが参加した。今後、諸手続きを経て、「近いうちにも助成金の一部がおりるのではないか」と関係者は話している。
「高齢者共生センター」は、同市セントロから五キロほどの距離にある日本人会所有の土地に建設する。診療所やデイケアセンター、ゲートボール場、レクリエーション施設などを備え、「高齢者に限らず市民みんながつかえる施設になる」。
センター建設費は八十万から九十万レアル前後が見込まれており、今回の助成金で足りない分は、大坪アキラ、ディオネ・ハシオカ氏ら五人の州議が発起人となって申請した補正予算案で二十五万レアルを充当。加えて、地元日系人らの寄付金約七万レアルをあてるる計画という。
州政府は今年六月十八日のセンター完成を目指すとしているが、関係者によれば「少し遅れるだろう」。今回の州政府助成金は、社会投資基金(FIS)、スポーツ投資基金(FIE)から出される。
同ベースクラブの野球場整備には、今回で約四万レアルの助成がほぼ決まり、これで芝生の張替えなどを実施。今後、連邦政府に助成金を申請し、観客席を増やす案も検討している。
玉城会長によると、同県人会支部会館サロンの一部改修費として、州政府は三万レアルの援助を約束。また会館隣の運動場建設費として、五月末までに連邦政府に詳細なプロジェクト文書を提出、四十万レアルの資金援助を申し込む計画という。
同市の百周年委員会では、このほかセントロ近くに日本人移民百周年を記念した広場や移民史料館、初期の日本人移民をイメージした記念モニュメントを建てる案を具体化させている。