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サンファン移住地の〃苦闘〃=大冊50年史にまとめる

ニッケイ新聞 2008年4月8日付け

 ボリビア国サンファン日本ボリビア協会(日比野正靭会長)によるサンファン日本人移住地入植五十年史『拓けゆく友好の懸け橋 汗と涙、喜びと希望の記録』(日本語)がこのほど発行された。B5版五百六十三ページ(別にカラー写真で見せる歴史十九ページ)の労作である。
 同移住地は、一九五五年に西川移住者が最初に入植してから二〇〇五年が五十周年。カラー写真ページの冒頭に「道の造成」があり、説明は「サンファン移住地の歴史は道にあり。その悪路は移住地の代名詞となり、移住者はすべてをかけて道を拓いた」とある。
 内容は、本編Ⅰサンファン移住地の入植当初時代から、同Ⅱサンファン移住地五十年の歩み、同Ⅲ移住地の環境、資料編、から成っている。
 本編に入る祝辞の最後で、移住地を造成した側の人たちで、移住者とともに現場で汗を流した旧海外協会連合会(国際協力機構の前身)の良心的な職員たち、若槻泰雄さん、宮廣千代蔵さん、寺神戸曠さんが、連名で次のように書いている。「五十年前、あの、どこまでも、どこまでも続く原始林に覆われたサンファンで、まさかり一つをふるって、これに立ち向かい、開拓の第一歩を踏み出した皆様方の御祖父母様、御両親様のお姿を思い起こすと、今なお胸がつまるほどの感動を覚えます」。
 日比野会長によれば、この記念誌の発刊でもって、同移住地五十周年関連事業のすべてが完了した。発行を志してから二年有余を要した。