ニッケイ新聞 2008年4月5日付け
コーポレート・カード(以下Cカード)CPI(議会調査委員会)に大統領府の経費明細を求めた野党の要請は連立与党によって否決されたが、上院基幹構造委員会が要請したロウセフ官房長官の証人喚問は三日、認められた。先に野党の二十九項目に上る要請案否決に得心した与党は、スキを与えたようだ。上院基幹構造委員会は、官房長官にPAC(経済活性化計画)の進行状況で説明を求めるというが、Cカードと詳細文書(ドシエー)用途動機の解明が目的なのは明らかだ。
CPIへの官房長官喚問は阻止されたが、上院基幹構造委員会への喚問が決まったことで、与野党間に重苦しい空気が漂っている。同委員会のペリロ委員長(PSDB=民主社会党)は、専門家による委員構成の準備に入った。
喚問の質問内容は、予め委員会から渡される。質問は告白の強要で、当然誘導尋問からわき道へ引き込まれる可能性がある。与党が委員会は、尋問の場ではないという。それを詳細文書について追及するなら、官房長官は喚問に応じる理由がないと見ている。
CカードCPIで閣僚を含む六人の疑惑高官の喚問表決に敗れた野党は、PSDBとDEM(民主党)に有利な上院で新たなCPI設立を考えている。疑惑高官のうち二人は、カルドーゾ前大統領の身辺探索を命じ、前政権の泣き所を知る人物とされる。
上下両院の合同CカードCPIは、野党にとって意味がなくなり十日で閉幕する予定である。与党はCPIメンバーのジアス上議(PSDB)を更迭するよう要求した。同上議が情報漏洩し、与党に濡れ衣を着せた張本人だという。前大統領の機密費明細を持ち出し、官房室高官を罠にはめたというのだ。
野党は機密漏洩が問題ではなく、機密に関心を持ったことが犯罪だという。どこからか文書(ドシエー)を入手し与党へ持ち込んだのは、アウメイダ下議(PCd0B=ブラジル共産党)である。これも今更、罠であったことを泣き叫んでも始まらない。
政府システムを使って政敵を陥れる文書を作らせた責任者を問いただすために大統領府を訪れたのであって、高官を罠にはめるためではないと同上議は抗弁。責任者が官房長官であることは明白で、データを捏造させPCに入力したのは側近でも、命令したのは長官自身だと告発した。