ニッケイ新聞 2008年4月5日付け
農務省は三日、世界の食糧メジャーを目指してブラジルの農業戦略を練る計画を明らかにした。先ず食糧の国際市場地図を作成する。またブラジルが超えなければならない衛生問題で、民間の協力を得なければならない。
ブラジルが農産物の輸出に力を入れれば、必ず輸入障壁や先進国の生産者保護
問題で衝突する。先進国は生産者を過保護で甘やかしたため、農業技術が非常に遅れた。それでも先進国は、生産者を安全保障のために保護する。作るより買ったほうが安いと、いうわけにはいかない。
これからブラジル農業への風当たりは、益々強くなる。先のEUによる衛生問題など、不満の根拠がない。EUが持つ畜産知識は、低レベルで狂牛病と口てい病を混同している。ブラジル在外公館に農業知識を習得させ、外交レベルで解決できることという。
農業戦略は、三段階に分ける。一は先進国の内情分析、二は輸入障壁対策、三は輸出促進イベント。輸入障壁は生産者を保護するために次々考え出すもので、解決することはない。
ブラジルはこれまで、中国やインド、東アジア、ペルシャ湾岸諸国、北アフリカ、ロシアなどへの売り込みに消極的であった。
これからは世界中で異常気象と河川の水不足による凶作が見込まれ、ブラジルの使命は大きい。食糧が水先案内として先導すれば、その後にブラジル製品が芋づる式に入っていけるチャンスがある。