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日本の美・七宝工芸展=「素晴らしい作品いっぱい」=日本からも30点 18日まで

ニッケイ新聞 2008年4月4日付け

 百周年を記念してグループ七宝「和(カズ)」(岩井和子代表)が主催する『日本の美・七宝工芸展』のイナウグラソンが、国際交流基金文化センターで三月二十九日午前に行われた。
 「準備に一年半かかりました。日本の素晴らしい作品がいっぱい集まった」。岩井代表は集まった約百人を前に、そう満足そうな表情であいさつした。日本から三十点(作家十八人)が出展され、うち七人が今回のために来伯した。
 その一人、日本七宝会議理事の新山礼子さんは「とうとうこちらに来ることが出来ました」と喜びのあいさつをし、岩井代表らが実現に奔走した苦労をねぎらった。加えて島田瞳、六戸綾子、斉藤芳子、六戸紀子、竹内広子、古川洋子ら六氏が来伯した。
 百周年記念協会や文協を代表して造形作家の豊田豊さんが、「ブラジルではまだ一般には知られていない七宝を、このように展示するのは意義がある」とのべた。在聖総領事館からは武田幸子副領事、会場・広報などで協力している国際交流基金サンパウロ日本文化センターの西田和正所長らもあいさつした。
 来場していたサンパウロ市在住の加藤淑子さんは「素晴らしいの一言、見応えあった」と感想をのべた。岩井さんの俳句仲間、富重久子さんは「俳句と七宝はつながるものを感じる。岩井さんはセンスがある」と語った。
 ブラジル側から出品したグループ七宝「和」は岩井さんをはじめ三人。その一人、谷崎順子さんは二年半前から始めた。七宝制作の魅力を「わずか一秒、窯から出すタイミングが違うだけで色が変わる。思いがけない面白い色がでることもある」と説明した。
 イヴェリゼ・カブラウさんは、約三年前に岩井さんの作品展をみて感動し、それから制作を始めるようになった。「絵画や陶芸など総合的な技術が必要。難しいところが面白い」と語った。谷崎智子さん(故人)の作品も展示された。
 十八日まで開催中で、正午から午後五時。土日も開館。入場無料。制作体験できるワークショップは十日、十三日、十六日の三回行われる。問い合わせは岩井さん(11・4702・7390)まで。会場住所=Fundacao Japao Av.Paulista,37-1andar