ニッケイ新聞 2008年4月3日付け
沖縄県中城村(なかぐすくそん)親睦会(比嘉哲夫会長)の敬老会が三月三十日午後四時からサンパウロ市の沖縄県人会館で開かれ、約百三十人が訪れるにぎわいを見せた。
今回の敬老会は、初めて、ブラジルから中城村を訪れた歴代研修生(仲松弥洲和代表)が中心となって開催。当日は、比嘉会長の祖父母で参加者最高齢の比嘉常春さん(90)、春さん(89)夫妻はじめ、八十歳以上の高齢者三十八人が訪れた。
同村への研修は九六年から毎年実施。ブラジルからは十二人の子弟が母村を訪れ、舞踊や音楽など様々な部門で三カ月間の研修に参加している。
会では子供たちから、参加した高齢者、代理の人たちに記念品が贈られた。OBや子供たちが民謡、舞踊や太鼓などを披露。サンパウロ滞在中の具志恵さん(糸満市出身)も飛び入り参加して三世の比嘉リエさんと「てぃんさぐぬ花」を熱唱した。「皆さん喜んで、踊ってくれる人もいました」と具志さん。持ち寄りの食事を囲んで出席者は交流を深めた。
「厳しい財政の中で(研修制度を)続けてくれているのは、ありがたいこと」と話すのは、同村出身で世話人をつとめた与那覇朝昭県人会事務局長。「和気あいあいとして、とても良い集まりだった」と敬老会を振り返るとともに、「来年からは出席できない方にも記念品が渡せるようにしたい」と語った。
中城村親睦会は沖縄県人ブラジル移住九十五周年で母村から訪問団が来伯したことを機会に集まりを持ち始めた。現在はサンパウロ市、近郊を中心に百五十家族ほどが参加している。