ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)によると、自家用車を持つサンパウロ市民は2013年から14年にかけて10%ポイント増え、62%になったが、その一方で、バスや自転車の専用レーン設置に賛同する人が90%前後いる。
市街化政策や交通政策の担当者は、バスや地下鉄などの公共交通機関の利用を勧めているが、車志向は止まるところを知らず、毎日またはほとんど毎日車を使うという人の数は、13年の27%より11%ポイント多い38%に増えている。
サンパウロ市の交通事情は「悪い」か「最悪」と答えた人は70%で、2008年以降、ほぼ横ばい状態だ。
だが、その様な状況下でも改善が見られたのがバスで、専用レーン59・3キロで調べたバスの平均時速は、12・4キロから20・8キロにと68・7%改善した。ハダジ市長になってからのバス専用レーンは357キロ延長された。
今回の調査でバス専用レーン設置に賛成した人は90%で、昨年の調査時より3%ポイント落ちた。自転車専用レーンの設置への賛同者は86%から88%に増えた。
通勤や通学に車を使う人の所要時間の平均は2時間53分で、バスや地下鉄などの公共交通機関を使う人の2時間46分を上回った。
サンパウロ州交通局によると、サンパウロ市では1~8月に乗用車の数が12万7千台増えている。市内には毎日524台が新たに乗り入れている計算になり、市内で登録されている乗用車の数は、8月末現在で550万台に達した。
交通問題の専門家は、車社会という構図はブラジルの文化と関係したもので、地下鉄などを増やしても、車の台数は落ちたりしないという。(19日付エスタード紙より)