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外国人住民と社会統合=静岡市で 国際シンポ=公立の小中高を経て国際基督教=大学に進学した日系三世が訴え=フラヴィアさん涙ながらに=「平等で暮しやすい社会を」

ニッケイ新聞 2008年3月29日付け

 【静岡新聞】静岡県と外務省、国際移住機関(IOM)は二十五日、静岡市駿河区のグランシップで、「外国人住民と社会統合に関する国際シンポジウム」(静岡新聞社・静岡放送後援)を開いた。過去三回は東京で開き、地方開催は初めて。
 地方都市で外国人が欠かせない働き手である半面、生活習慣の違いや社会保険の未加入などが課題。木村仁外務副大臣はあいさつで、外国人の定住化傾向を指摘し「受け入れ体制を再構築したい」と述べた。石川嘉延知事は「理解と協調の精神で、外国人も安心して暮らせる静岡県を目指そう」と呼び掛けた。
 自治体の国際交流担当者や市民団体、企業などから約三百人が参加。第一部で移民政策など「多文化主義の現状と課題」を考えた。第二部はブラジル移住百周年の歴史を踏まえ、日系ブラジル人が直面している課題を話し合った。
 現状報告した鈴木望磐田市長は「外国人を顔の見えない隣人にしてはならない。労働者でなく生活者」と指摘。学校教育の充実がカギと説明した。浜松学院大の津村公博准教授が孤立化するブラジル青少年の実態を紹介。九歳で菊川に来日し、公立の小中高を経て国際基督教大に進んだ日系三世の柳瀬フラヴィア智恵美さんは、涙ながらに差別の体験を打ち明け「私は日本とブラジルの要素を持った地球市民。平等で暮らしやすい社会には一人一人の努力が必要」と訴えた。
 パネル討論も行われ、企業内で日本語教育に取り組むヤマハ発動機IMカンパニーの石岡修事業推進部長らが自治体、企業、市民団体などが連携して取り組む共生社会の実現を求めた。