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文協水曜シネマ=「アンゼラスの鐘」上映会=1万人平和署名活動も

ニッケイ新聞 2008年3月28日付け

 原爆投下後の長崎で懸命に救護活動を続ける医師の姿を描いたアニメ映画「NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘」(有原誠治監督、80分、05年)の上映会が二十六日午後一時から文協大講堂であり、二百人を超える来場者が訪れた。水曜シネマの特別版。
 来伯中の有原監督、長崎県被爆二世の会の丸尾育朗会長、被爆者の元山寿恵子さんが会場を訪れ、舞台あいさつに立った。
 〇七年度高校生平和大使の井原歩さん(長崎)笛田満里奈さん(鹿児島)は、体調不良のため、会場には姿を見せなかった。
 有原監督は舞台で、「世界では化学兵器が使用されており、原爆の悲惨さは忘れ去れている。放射能を恐ろしさ、平和の大切さを子供たちに伝える力の大きいアニメで訴えたい」と同作品が終戦後六十年目に作られた経緯を説明。
 同作品はドイツやフランス、シンガポール、デンマークで上映、昨年十月には米・ニューヨークにある国連本部で上映する機会を得ている。
 続いて、丸尾会長が核の廃絶を目指し、九八年から始まった「高校生一万人署名活動」を紹介。すでに国連に提出した署名は三十万人にもなるという。
 十四歳で被爆した元山寿恵子さんは、自身の被爆体験を語り、観客は貴重な証言に耳を傾けていた。
 在伯被爆者協会の森田隆会長らから花束を手渡され、会場からは拍手が送られた。
 長崎県出身の杉本俊和さんは上映後、「このような作品をブラジルの子供たちに見せる機会があれば」と平和を伝える大切さをかみ締めていた。
 一行は、サンパウロ市内の高校や大学で上映会・署名活動を行ない、二十九日に離伯する。