ニッケイ新聞 2008年3月26日付け
低所得層の購買力向上により消費市場の五〇%を占めるに至ったことで、大企業の販売戦略にも変化が表れている。以前は販売戦略といえば、上流階級相手が主流であった。これからは、下層階級が企業戦略の決め手になりそうだ。
低所得層を軽視する企業は近年、産業界から姿を消す。食品大手のネッスルは、三億レアルを投じて低所得コーナーを設置した。ABCDEクラスの中でCクラスが三〇%を占め、所得の伸びも最大である。
多くの企業には、低所得向け商品がイメージ・ダウンにつながるとの抵抗感があった。しかし、低所得層向け販売戦略には、資金回収率の速さというメリットがある。利益率は上流層の二五%に対し、下流層は一八%と低いが、五倍の速さで資本が回転する。