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キューバ改革の嵐=自由が分からず戸惑う国民

ニッケイ新聞 2008年3月26日付け

 キューバ共産政権は、農業資材の自由販売に続き、公団経営の集団農場を民営化することを発表した。農産物の生産と販売が農務省管轄から解放され、生産者は個人経営か組合化かで協議を重ねている。
 これは、農地の生産性向上を目指すラウル後継首相の政策である。キューバは生産性低迷のため二〇〇七年、二億八千六百万ドルの食糧を輸入した。年累計では十五億ドルだ。これは行政機構と国民のメンタリティ改革である。
 キューバは、急激な政治改革と経済改革で国民が戸惑っている。黒船の来航で国民は突然目覚め、物心両面で時代の遅れを感じている。自由販売を許された国境の商店には、DVDやコンピューターが並んだ。
 これまで電力の消費制限で使用を禁じられた数々の電気製品が売られている。外国旅行も解禁になった。一番問題なのは、政府の補助金手帳が廃止になったこと。キューバは農業国でありながら、食糧が不足している。国民は、自由とか解放の意味が分からない。耳で聞いたことが、質問の答えだというのだけど。