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CIATE=訪日希望者に最新事情講演=少年院=外国人収監者の9割がブラジル人

ニッケイ新聞 2008年3月25日付け

 国外就労者情報援護センター(CIATE)は十五日にセミナーを主催し、二宮正人理事長は「在日ブラジル人の犯罪状況」について講演を行い、十数人の訪日就労希望者は興味深そうに最新事情に聞き入った。
 「在日ブラジル人は三十一万三千人もおり、ジュンジャイ市の人口なみ」。二重国籍者が一万五千人ていどいると推測されるため、合計すると三十三万人にもなり、〇六年の同市人口三十四万九千人と大差ない。
 〇三年、二宮理事長が初めて神奈川県にある久里浜少年院を訪ねたとき、収監されている全百三十人の中で、外国人が二十三人おり、うち二十人がブラジル人だった。
 昨年再訪問したとき、外国人は二十人で、うち十八人がブラジル籍だった。「残念なことに、外国人のうち約九割がブラジル人です」と説明すると、参加者から驚きの声が漏れた。
 「何人かと話したが、ほとんどは窃盗の繰り返しで送られてきた少年」。そこで木工などの仕事を覚え、大半は一年程度で社会復帰するという。「大人の場合は刑期が長期なので途中でビザが切れ、出ると同時に空港から強制送還」。
 日本で罪を犯して出国逃亡したブラジル籍者が九十四人に増えている件にもふれ、日本国内の被害者から両国の刑量や制度の違いについて不満の声が挙がっている件に関し、国際法の専門家として「それぞれの国には主権があり、逆のことが起きてもブラジルは日本に言えない」と解説した。
 日本から国外犯処罰の申請がきている四件に関しては、ブラジル側ではすべて起訴逮捕された。訪日就労希望者らを前に、「今ではこちらに逃げてきても捕まることは明白」と強調した。
 また日本では年々、交通事故の刑罰が厳しくなっている状況を説明し、無免許運転はもちろん飲酒運転などについてブラジル法規と比較して説明。「どこの国にいっても、その国の慣習や法律に従うのが原則」と締めくくった。