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東西南北

ニッケイ新聞 2008年3月18日付け

 交通渋滞その他、ストレスの溜まりやすい世の中。ストレスのせいで胃が悪くなったという人も多いが、フォーリャ紙の記者が同乗した仏教の僧侶は、無茶な追い越しをかけて来る車や、合図もなく進路変更をする車にもいらだつことはないと。呼吸を整え、平静な気持ちでハンドルを握るというブラジル人僧侶。宗教家というだけではなく、人間としての成熟ということでもあるのか。
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 環状線(ロドアネル)の建設のため人口洲を作ったり、機動隊の車で追われた青年が行方不明になったりといったニュースがあるサンパウロ州グアラピランガ湖で十六日、寒中水泳。急に冷え込んだ週末だったが、十代の青年も含む水泳愛好家らが集まった。泳ぎ出したら寒さも平気だったというが、念入りに準備体操をしてから、湖を横断。競泳は男性陣がリード。女性の一着は十三歳の少女だった。
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 スペインで入国拒否をされたブラジル人と、ブラジルから強制送還されたスペイン人のニュースが続いたが、米国でもブラジル人の強制送還が増えている。ヴィザが切れていたりして、不法滞在となっているケースも含まれているのだが、不法滞在で拘留されたブラジル人の獄中死や、ブラジル人がいなくなって閑散としてきた町など、伯米双方に様々な影響が出ている。マサチューセッツ市がゴーストタウン化したのはブラジル人がいなくなったせいというが、このまま状況が改善しなければ、自分も帰伯すると語る男性の髪はもうかなり白くなっていた。
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 十三日にサンパウロ州イタペヴィ市で青年三人が殺され、一人が負傷。サンパウロ州では今年一〇件目の大量殺人で死者は既に三六人。年頭の三カ月足らずで昨年の三〇人を上回った。