ニッケイ新聞 2008年3月15日付け
連邦警察は十三日、社会福祉法人の認証書を販売した容疑者六人を拘束したと十四日付けエスタード紙が報じた。一味は社会福祉審議会(CNAS)から賄賂を引き換えに同認証書を取得、社会福祉法人の資格がない学校や病院などへ販売した。これら企業は、福祉を求める市民に対し特別な社会福祉事業をしないのに、税金や負担金の納税を免れていた。この種の社会福祉法人が、二〇〇四年から四十億レアルに上る税金を滞納していた。
連警は十三日、税金や負担金の免除特典を受けられる社会福祉法人の認証書を販売する犯罪組織を摘発した。一味は、社会福祉審議会(CNAS)の現委員長や元委員長などを含む犯罪組織であった。
一味は毎年、贈収賄の形で、国庫に入るべき公金十億レアルを着服していた。二〇〇四年から四年間で、四十億レアルになる。慈善事業が最も儲かる商売であることは世界共通の認識だが、一味は証拠隠滅の勉強不足であったようだ。
不正システムは、社会福祉事業を行っていない企業に証書を発行することで成り立っている。狙ったのは、医療関係や学校、営業目的の社会福祉団体など六十企業であった。政府の社会福祉局には一万団体が社会福祉法人として登録され、社会保障院の負担金だけで毎年、五十億レアルが免除される。
拘束された容疑者の中には、CNASに関係する六州の諸団体代表多数が首を並べた。全員が共犯者だ。CNAS現委員長のシウヴィオ・ユング容疑者は、連警が身柄拘束したものの裁判所が取り消した。元委員長のカルロス・アジュール容疑者は、組織の主犯と見なされている。
CNASは九人の官僚と九人の民間代表による十八人のメンバーで構成される。アジュール容疑者が、名前だけの社会福祉団体リストを所持し免税措置の斡旋をした。社会福祉事業を脱税の隠れ蓑に使い、税金を寄付として慈善団体に預ける企業もあった。寄付金は後日、団体の経費として払い戻させる。
審議会ぐるみで不正を行っていたCNASを統轄する労働省は十三日、社会福祉法人の資格基準法を上程した。マリニョ労相は、CNASが魚の番をする猫であったことを認めた。法整備の承認前に関係者の処罰はしないが、不正資金の着服は追跡されるという。