ニッケイ新聞 2008年3月15日付け
中央銀行の通貨委員会(Copom)は十三日、需要過熱による消費者物価への反映で基本金利(Selic)の引き上げ可能性を示唆した。サービスも含めて消費者物価は、供給を離れて一人歩きをしようとしているという。
国内需要は、二〇〇七年クリスマス景気後の一時休止の様子もなく好調な伸びを見せている。インフレへのシナリオは確実に進行している。消費者物価指数が目標をオーバーしないように、中銀はどこかで錨を下ろす必要があるという。
基本金利は一一・二五%で据え置いたが、国内需要を刺激するように地方自治体への交付など政府経費も増えた。それに比べ、企業の設備投資は満足するものではない。国際市場は先行き不安で覆われ、為替の反響も否定的な中、国内の需要だけが独走している。
基本金利は四月引き上げ基調に入り、年末は一三・二五%に引き上げる予測がある。いっぽうデウフィン・ネット元財務相は、国内需要の高まりを、中銀はテロリストのように思っていると批判した。
中銀は、まるで悪夢のようなインフレが明日にでも起きるような反応振りだという。経済成長率五・四%は奇跡のようなもので、二〇〇八年は精々四・五%止まりだからインフレだ金利引上げだと騒ぐ必要はないと同氏は見ている。