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劇団『1980』=各地で絶賛「ええじゃないか」=ブラジル11公演、無事終了=柴田代表「観客の反応に鳥肌」

ニッケイ新聞 2008年3月15日付け

 「役者として鳥肌が立つ思い」――。先月十三日からの「ええじゃないか」ブラジル公演を終え、劇団『1980』の柴田義之代表は、各地の観客の熱狂ぶりに驚きながら、そう語った。
 総勢四十人の同劇団は、先月十三日のブラジリア公演を皮切りに、国内十カ所での十一公演を無事終えた。
 公演の最後を飾った十二、十三日のサンパウロ二公演は両日ともほぼ満席の盛況。最終日十三日の公演後には、同劇団主宰の劇作家、藤田傳氏や同名映画の故今村昌平監督の昭子夫人が舞台に上がり、観客からも拍手が送られた。
 置屋の女将コウを演じた山田ひとみさんは、「(観客の)反応が凄く強かったのが印象的」と公演の感想を話し、「プライベートな時間はほぼなかったが、フロリアノーポリスの海岸で遊べたのが楽しかった」とブラジルの自然も満喫した様子だった。
 今回の公演のコーディネーターを務めた楠野裕司さんは、「最後のサンパウロ公演で雨が降ったが、大入りだった」と胸を撫で下ろし、「皆さんのおかげで成功を収めることができた」と各地関係者に感謝の気持ちを語った。
 柴田代表は、「全公演のお客さんが総立ちとなった。すごいパワーを感じた」と日本との観客の違いを話し、「ブラジル社会から、やさしく接してもらえたことも日本人百年の歴史の積み重ね」と感慨深そうに話した。
 続けて、「またの機会にサンパウロで長期公演を行いたい」と次回へ含みを残した。
 団員一行は十四日に離伯した。なお、同劇団は今村昌平監督三回忌にちなみ、五月に東京の紀伊国屋ホールで〃追想公演〃を行なう予定。