ニッケイ新聞 2008年3月12日付け
楽しいはずの週末に水の事故が相次ぎ、十日、十一日の伯字紙やテレビのニュースが伝えている。
日曜日の未明に起きたのはパンタナウの遊覧船沈没。マット・グロッソ州のクイアバ川で起きたものだが、釣り客一二人、乗員一〇人を乗せた船がパンタナウのホテルを出航したのは三時。ポルト・セルカードへ向かう途中の四時頃、電気が消え、大きな音がしたと思ったら、あっという間に浸水し、三〇秒足らずで完全に水没したという。
事故現場の水深は一五~二〇メートルで、投げ出された乗客、乗員ら一三人は岸まで泳ぎ着き、うち二人が近くの農場まで行って家族らと連絡を取った。
十日の記事では三人を遺体で発見とあったが、十一日の記事では、一〇キロほど下流で一人が遺体で発見されたとあるのみで、残る八人は行方不明と報道。消防と海軍は川底に沈んだ船体に閉じ込められていると見て、十一日中に船体を引き上げる予定。電気系統のショートでエンジン爆発が起きたと見られるが、現場は雨で、水の流れも強く、視界の悪さで四四人の潜水夫を投入しても船体内を捜索できなかった。
一方、同じく九日にリオ州のグアピミリンで起きたのは鉄砲水。ソベルボ川の滝壷で水浴に興じていた人々が、あっという間に増量した川の水に流された。
上流に雲がかかっているのを見た付近の住民は鉄砲水の危険を察知したが、現場付近は日が差していたため、水から上がりかけた水浴客が再び水辺に戻った所で惨事は起きた。午後二時前に襲った濁流は、木をなぎ倒し、岩を転がしながら滝を下り、膝までだった滝壷の水はあっという間に数メートルにまで増水した。
付近の民家の扉などにしがみついた人たちは付近の住民や、救出された水浴客、消防士らによって救出されたが、一〇歳の女児のほか、男性三人、女性二人の計六人の遺体が四キロの範囲で収容された。十日現在、一人がまだ行方不明。
住民らは、何年も前から市役所や国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)に危険を知らせる看板などの設置を申し入れていたというが、Ibamaでは事故現場は市役所の管轄だと弁明。市役所側は何のコメントも出していない