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隣国の越境に備え=国境に最新鋭機の基地建設

ニッケイ新聞 2008年3月12日付け

 ジェンロ法相は十日、コロンビアとエクアドルの間でFarc(コロンビア解放前線)を巡って緊張が高まっているため、コロンビア国境付近に新たな基地建設を決めた。これまで国境偵察巡回路とされた地域に、情報収集の目的も含めて建設される。
 国境は、連邦警察と陸軍が巡回する。連警は早くから麻薬密売業者の徘徊に目を光らせていたが、陸軍諜報活動の内容は霧の中。基地は、ソリモン川とイッサ川の合流点に要塞として建設される。夜間撮影も可能な遠距離カメラと地上監視のレーダーを備えた通信センターを設置する。
 ブラジルの領土内に、いかなる組織のキャンプ設営も許さないという。エクアドル政府は、ゲリラがブラジル領内のジャングルを通路に使っているというが、国防省は監視レーダーに記録がないとして事実を否定した。それは、三つの武装集団が、徘徊した九〇年代のことと思われる。
 基地には空軍の国産エレトロニック戦闘機R99AやR99Bが配備され、身許不明機の監視や爆撃目的の航空機襲来に備える。ブラジルは引き続き、数々の国境基地を北西地域や西部地域に設置する。アクレ州に三カ所、アマパー州に五カ所、リオ・ネグロ川上流のニテロイなど。
 ゲリラは武器や弾薬、医薬品、食料を運ぶため国境付近を通るのをブラジル軍諜報部がいつも確認しているが、領土内ではない。コロンビア領内に数々のキャンプ設営とFarcが百六十人位の男女で移動するのを衛星写真で陸軍は、捉えているので丸見えだ。
 熱帯作戦では世界で最精鋭といわれるアマゾン特別部隊を、二万五千人で編成し配備する。二〇一〇年には二万七千人に増員する。