ニッケイ新聞 2008年3月12日付け
【カイロ共同】モスク(イスラム教礼拝所)のミナレット(尖塔=せんとう=)が林立し「千の塔の都」と呼ばれるエジプトの首都カイロを見渡す丘に8日、浜松市からはるばる空輸された大凧(たこ)がゆらり。カイロっ子や在留日本人の家族連れ約五百人から歓声を浴びた。
カイロでの凧揚げは、日本エジプト科学技術年の行事の一環。浜松市の祭り団体「南遊会」の有志十人が法被姿で、カイロ市街地を南東の丘から望むアズハル公園で凧揚げに挑んだ。
この日のカイロは気温二十五度を超えた。南遊会のメンバーは汗をにじませながら、四―五畳大、重さ約十キロの大凧四枚と格闘したが、あいにく風が弱く、四枚を同時に空に連ねることはできなかった。友人三人で会場を訪れたカイロ大女子学生アハサンさん(20)は「エジプトにも凧揚げはあるけど、とてもかわいらしい」とにっこり。
南遊会の坂田雅之会長(55)=浜松市中区寺島町=は「海外での凧揚げは初めて。エジプトの人も興味を持ってくれたようだ」と顔をほころばせた。南遊会は移民百周年記念行事でブラジルにも招かれているという。