ニッケイ新聞 2008年2月29日付け
政府は二十八日、これまで連邦税とされた四種の税に代わるIVA(付加価値税)を織り込んだ税制改革案を議会へ上程した。さらに商品やサービスに課される州税の主な財源ICMS(流通税)は、消費地で徴収されるべきとした改革案も付記された。生産地で徴収されるICMSは、一部に留めた。マンテガ財務相が、税制改革に並行して中流階級向け所得税(個人)の負担軽減を検討中であることを表明した。
所得向上により所得税(個人)の課税対象者が増え、政府は一部還元を考慮したようだ。所得税減税案は今回の上提案に含まれなかったが、一連の税制改革における目玉らしい。中流階級の現行法上限二七・五%を引き下げ、上流階級の課税率を三〇%以上へ引き上げるようだ。
他に他州間にまたがる商品やサービスのICMS全額徴収を止め、二%を生産地州へ残すらしい。税制改革案は上程される前、原案を議会へ送り下見をさせた。時期的に地方選挙とコーポレート・カードCPI(議会調査委員会)が重なり、政治的ゼスチュアと見る向きもある。
IVAは、Cofins(社会保険納付金)とPIS(社会統合基金)、Cide(燃料税)、Salario・Educacao(教育基金納付金)の代替となる。原形のまま残ったのは、社会保障院納付金だけだ。経営者が納める同納付金は、現行の二〇%から二〇一六年の一四%まで段階的に縮小される。
ICMSが生産地に二%となることで、脱税の温床になるという見方がある。生産州は努力して生産しながら税金は、消費州に取られるからだ。財務相は「税制改革を未来永劫にブラジルを富ますもので、現政権の選挙宣伝でも懐肥やしでもない」と説明した。
財務相は、税制改革を現行法の凍結や目的達成方式と誤解しないよう求めた。「税制改革は誰かがしなければならないもので、セーラかアエシオがやるというのであれば、喜んでお願いする」と述べた。