ニッケイ新聞 2008年2月29日付け
【静岡新聞】ブラジルへの日本人移民百周年を記念した写真展「新世界に渡った日本人」がこのほど、静岡県浜松市中区のザザシティ浜松中央館内の県西部地域交流プラザ・パレットで始まった。
両国認定の日伯交流年記念事業の一環で、国際協力機構(JICA)とブラジル日本移民100周年記念協会の共同企画。サンパウロのブラジル日本移民史料館やブラジル各地の日系団体が保存していた数千枚の写真の中から約五十点を選んで展示した。
日本人移民の先駆けとされる一九〇八年の移民船「笠戸丸」の出港から、戦前戦後にかけての農場開拓や商工業への進出、一九八〇年代以降の日本への「出稼ぎブーム」など、ブラジルの発展に寄与してきた日本人移民とその子孫が歩んだ百年の歴史を、日本語とポルトガル語の紹介文を添えた写真パネルで展示。日系人の混血化の進行や日本文化とブラジル文化の融合など、日系人社会の変化も伝えている。
展示会場のパレットの戸塚征彦事務局長は「多文化共生の意識を高めていくために、日本人だけでなく日本に住むブラジル人にも、ぜひ移民の歴史を知ってほしい」と話す。同展は今年中に県内七カ所を含む全国約三十会場を巡回する予定。