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対外収支、十年来の赤字=外資の参入に期待=成長期に見られる通常現象=借金依存体質と金融経済で

ニッケイ新聞 2008年2月27日付け

 中央銀行は二十五日、海外との商取引やサービスにおける一月の対外収支が一九九八年十月以来の最低水準、四十二億三千二百万ドルの赤字と発表したことを二十六日付けフォーリャ紙が報じた。一月は輸入激増と多国籍企業の利益送金が重なったためだが、二月も引き続き赤字が続くと見られる。貿易収支は、一昨年の二十五億一千六百万ドルの黒字から昨年九億四千四百万ドルへ後退し、利益送金は三十億ドルと記録を更新。中銀は反面、外資参入に期待し安堵している。
 二〇〇八年度の対外収支赤字は、三十五億ドルに上るものと中銀は見ている。対外収支が赤字になり始めたのは、二〇〇三年以来初めて。これは国際市場低迷の反面、利益送金が記録更新したからだ。
 一月の貿易収支は、九億四千四百万ドルの黒字。二〇〇七年の貿易黒字、二十五億一千六百万ドルの半分以下である。年明け早々からの対外収支赤字は、大量の長期直接投資が入り収支均衡するから気にしていないと中銀はいう。
 一月の外資参入は四十八億千四百万ドル、赤字を埋めるには十分である。対外収支の内訳は、貿易収支やサービス収支、金利支払いや利益送金、観光収益などの損益収支、海外就労者のブラジル向け送金などの振り替え収支である。
 対外収支は赤字幅が大きいほど、海外からの投資で穴埋めする。それで足りなければ、海外で借金をする。赤字が大きいほど、国際資本への依存度が大きくなる。メリットもある。貿易黒字の縮小は、経済の成長度が加速し輸入資材を求めたこと。利益送金は多国籍の営業成績が、順調であることを意味する。
 途上国の対外収支赤字は、珍しくない。貧乏人が金を儲けるには、まず金を借りる。それは商売の常道で、借金が管理されているなら恐れることではない。ただ為替変動やインフレ、金利上昇があるから、リスクは考慮すること。
 落ち込んだ貿易収支は、コモディテイ市場が強気のため見通しが明るい。穀類の需要増は揺るがない。在庫は全般に減少。遠からず穀類の高騰が、貿易収支を挽回する。