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修好百周年基金=8プロジェクトに70万レ助成=田中委員長「事業推進に期待」=残り100万レは募集継続

ニッケイ新聞 2008年2月23日付け

 日伯修好百周年記念基金を管理する日伯友好交流促進協会(代表者委員長=田中信)は二十日午後、サンパウロ市内のブラジル日本商工会議所内で基金からの助成通知書の授与式を行い、八プロジェクト代表が受け取った。この基金は、一九九五年の日伯修好百周年時に集めた余剰金を、日系五団体が責任を持って運用してきたもので、一七一万レアルあった。今回約七〇万レアルが助成金として渡されることが決まったが、残り一〇〇万レアルに関しては、百周年協会の主催・共催する有意義な事業に助成される予定になっている。
 代表者委員長の田中信さんは「百周年記念事業の推進に、いっそう弾みがつくことを期待しています」とあいさつした。この日伯友好交流促進協会は文協、援協、県連、日文連、商議所の代表者から構成される。「日伯交流、相互理解、協力関係の進展」に賛同した企業、個人、団体より寄せられた修好百周年の募金の余剰金を管理運営している。
 九七年から〇三年までの間、すでに二三件のプロジェクトに、銀行利子による八三万レアルを助成した実績がある。その後は、銀行運用に専念し、一七一万レアルになっていた。
 今回助成されることが公表された八プロジェクトと助成金額は次の通り。
 (1)ブラジルの対日理解に資する日本関連の基本情報・データ収集とポ語による『現代日本辞典』出版事業=三万レアル。(2)東京交響楽団によるブラジル巡回公演=八万レアル。(3)「ブラジルの大地に生きる日本女性物語」サンパウロ新聞連載の単行本出版と写真展=三万レアル。(4)毎日新聞社所蔵写真による「ブラジル移民の歴史展」(写真展)=二万レアル。(5)ブラジル日本移民史料館所蔵資料のデータベース化とデジタル化=二五万五〇〇〇レアル。(6)『ブラジル日本移民百年史』(日本語版)編纂・出版プロジェクト=一七万五〇〇〇レアル。(7)毎日新聞書道サンパウロ展に伴う教育プロジェクト=一万九〇〇〇レアル。(8)「21世紀の森作り」全伯植樹キャンペーン=五万レアル。
 通知書を受け取った移民史料館の栗原猛運営委員長は「当館が創立三十周年を迎える記念すべき年に、劣化の危機にさらされている九万点の資料をデジタル化する一歩が踏み出せる。大変ありがたい。世界に発信できる体勢にしたい」と感謝の言葉をのべた。
 同促進協会の山田唯資監査役によれば、今回申請があったのは十プロジェクトだった。今後は再び、募集を開始し、残りの一〇〇万レアルの助成先を決めていく予定になっている。