ニッケイ新聞 2008年2月16日付け
連邦政府は十四日、市長と市議の地方選挙のため、七月六日からの連邦令一一三〇〇号の適用を認めた。カサビ市長らが一年半にわたってサンパウロ市美化に務めた努力も空しく、選挙用のチラシやポスター、バーナー、旗、スタンド、模擬投票用紙、塀の書き込み作業、大型看板等の製作が許可された。
立候補者は既に、印刷所へ二千万枚のチラシやポスターと十万枚のバーナーを注文している。連邦令にかかっては、サンパウロ市の都市美化条例もお手上げである。選挙に関する連邦令の有効期間は、選挙前三カ月間から十月五日までという。
選挙高等裁判所は、選挙運動という名前のパーティやショー、四メートル平方以上の看板、金品配布、電柱へのポスター貼り付けを禁じ、それ以外は殆どの活動方法を認めた。無断で個人の物件にペンキを塗りたくったり、バーナーを掛けるのはやはり不快。立候補者か選挙事務所に、選挙が終わったら必ず掃除をするよう確認するとよい。
再選立候補は確定していないが、カサビ現市長にとって都市美化は悲願らしい。選挙でサンパウロ市を汚させないと頑張っている。連邦令が市条例に優先されることで、サンパウロ市美化運動は歯を食いしばっている。もし現市長が立候補を決心したら、選挙運動のやり方を教えるという。
カサビ市長は十八日、市議立候補者へ配る「立候補要領」を公表する。従来の古いお祭り気分を改め、新しい時代に相応しい教養あるセンスと良識を各候補に求めるというのだ。勝つためには手段を選ばず式を廃し、都市美化は貫かせると意欲を見せている。
カサビ市長の都市美化運動は評価され、立候補すれば投票する人は三二・九%という調査結果がある。大型看板の強制撤去で、五〇・四%がカサビ市長の存在を認識したという。