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高齢男性が要注意=エイズ初診の44%に赤信号が

ニッケイ新聞 2008年2月16日付け

 保健省の伝染病白書は十四日、エイズ罹患の疑いで診断を受ける人の四三・七%が手遅れの状態であることを明かにした。二八・七%は治療開始後、間もなく死亡。特に六十歳以上の男性高齢者に治療開始の手遅れが目立ち、二十歳以下の若年層より七倍多い。
 手遅れとは、エイズ菌から身を守るリンパ腺細胞TCD4がすでに抵抗能力を失った場合をいう。それは感染後、潜伏期間を含め五年以上を経過している。それでもブラジル全体では、エイズが減少傾向にある。
 女性は、妊娠検診でエイズ診断も同時に行うので少ない。その他は献血で発見されたり、会社の健康診断でエイズの可能性を指摘され、診断を受ける。どれにも遭遇しなかった場合、手遅れになり易い。
 地域によってエイズ検査を受けるのが難しい所もある。手遅れと見なされたケースは北部が五三%、中央西部が四七%。検査結果が遅れて治療を放置したため、手遅れになるのもある。ブラジルがエイズ先進国と呼ばれても、手遅れでは意味がない。