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HCラボが検査中断=冷凍不全で研究室が菌汚染=財政難に火災の追い打ち

ニッケイ新聞 2008年2月15日付け

 クリニカ病院(HC)では、昨年十二月の救急病棟火災が原因でラボ・センターがバクテリアや病原菌で汚染されていることが判明し、十三日に寄生虫検査と微生物検査を一時中断したことを発表した。
 電気系統の故障により冷凍庫が使用不可となったため、高度の精密度が要求される検査の分析結果を保証できないという。火災による電気系統の破損を知らされたとき、バクテリアの汚染リスクは予測していたと責任者が明かにした。
 数々の冷却器を据えて応急措置は施したが、室温の上昇により微生物は爆発的に繁殖した。ただ病棟全域への汚染を防いで、最悪事態を避けるに留まった。そのため、尿検査や検便、呼吸器系の分泌物検査、皮膚検査は中止している。
 特に患者の臨床や徴候診断、便の寄生虫検査には、支障を来たし困っている。どうにか検査を継続しているのは、手術を要する急患の血液検査だけ。入院していない通院患者の検査は、後日に延期。外部のラボへの検査依頼は、HCの容器持ち込みを忌避するため、原則としてしない。
 原状に復帰できるのは、十八日ころとラボ責任者は見ている。それまで各種検査の余裕時間を見ながら冷凍システムの調節を行う。検査中のデータにも、電気系故障による何らかの変化が起きているようだ。
 HCラボ・センターは、八課が合同で同大学病院の精密検査、月間六万件を一手に引き受けていた。それが今、五千件のペースになっている。十八日で原状復帰ができれば、検査結果の損失は〇・一%に押えられると見ている。
 HCはサンパウロ州政府の財政支援を受ける公共病院で、昨年までに財政パニックが四回あった。昨年十二月の火災以後、血液銀行でもトラブルがあった。さらに内視鏡検査課でもボヤがあり、他にも不可思議な事件が二件起きた。HCは、泣き面に蜂の状態にある。