ニッケイ新聞 2008年2月15日付け
日本政府の要請に基づく一連の代理処罰(国外犯処罰)問題で、静岡県焼津市の母子三人殺害事件のエジルソン・ドニゼッチ・ネベス被告と、長野県松本市で〇三年七月に起きた強盗殺人事件のジュリアノ・エンリッケ・ソノダ被告の初公判が二十一日午後、サンパウロ市バラ・フンダの刑事法廷でそれぞれ開かれることがわかった。
ネベス被告は今年一月十五日早朝、サンパウロ州サルタイヤ市にある自宅から出かけたところを逮捕。共同通信の報道によれば、ソノダ被告は一月二十八日にサンパウロ州検察当局より強盗殺人の罪で起訴され、今月二日、サンパウロ州フェルナンドポリス市で身柄が拘束された。
テレビ朝日の単独取材によると、ソノダ被告は犯行を認めている。十四日までに裁判所関係者に行った取材では、公判は非公開の予定。担当弁護士は決まっていない。
同被告は〇三年年七月十日夜、本件で無期懲役の判決を受けた日本人の男と共謀し、松本市の貸金業全達守さん=当時五十九歳=方で、全さんの首をコードで絞めて殺害し、現金四十一万六千円を奪った疑い。被告らはコードやガムテープ、手袋などを事前に用意するなど、殺意をもって犯行に及んだとされる。
ネベス被告は昨年十二月、当時交際していたブラジル国籍の女性派遣社員、ソニア・アパレシーダ・ミサキ・フェレイラ・サンパイオさん=当時41歳=宅で、ミサキさんとその次男を殺害、さらに自宅で長男を殺害した疑い。同被告の裁判は陪審裁判でおこなわれる。
両裁判で、四件の代理処罰要請による裁判がすべて開始することになる。